MARITA LYBECK(マリタ・リューベック)は、フィンランドの女性デザイナー。モダンで機能的なテーブルウェアの分野においてのパイオニア。AINO AALTO(アイノ・アアルト)からの依頼でARTEKの陶器やテキスタイルをデザインしキャリアをスタートさせました。1937年のパリ万国博に出展されたアアルト夫妻の家具のファブリックや、SAVOYレストランのテーブルウェアの一部なども彼女のデザイン。1947年に自身のスタジオEMMELを設立。国内の赤い粘土を用い、装飾はほとんどなくシンプルなフォルムで、スタッキング可能な機能性、自由に組み合わせができるなど、モダンで革新的なデザイン理念のテーブルウェアをハンドメイドで発表。すぐに好評を得るが、後にKAJ FRANCK(カイ・フランク)のKILTAシリーズなど同じデザイン理念の大量生産品との価格競争に敗れるなどして1957年に閉業。1957年からは、EMMEL設立前のARTEKの作品を製造していた地元の陶器メーカーであるKERAのアートディレクターに就任し、KERAが閉業する59年まで在籍。その後、ストックマンデパートのアート・デザイン部門のマーネージャーとして活躍しました。1954年のミラノトリエンナーレでシルバーメダルを獲得。こちらは、EMMELで製作された楕円形の大きなボウル。釉薬のムラや歪みなどひとつひとつハンドメイドされた痕跡が残ります。高台裏には、彼女がこだわって使用した赤土が覗かせます。※スレなど使用感があります。