1954年から1966年に製造。
円錐を上下に反転させ重ね合わせ、中腹のくびれが取っ手の役割を担ったいかにもカイ・フランクらしいシンプルなフォルム。
取っ手がないことにより、製造におけるコスト削減、破損の軽減、輸送や収納の際の省スペース化など、問題解決から導き出された機能的なデザインのお手本のようなピッチャーです。
薄く繊細なガラスは、型吹き(廻し吹き)により一つひとつ丁寧につくられたもので、サイズやガラスの厚みなど個体差があります。
VASE 1405と同じ型を使用し、注ぎ口をつけ足したデザイン。
※小傷がありますが、目立つダメージなく良い状態です。
KAJ FRANCK|カイ・フランク|1911-1989|FINLAND
ヘルシンキ国立美術大学で家具デザインなど7つの異なったコースを学ぶ。卒業後、家具デザインを主軸としインテリアデザイナーとして活躍。1939年、奨 学金を得てスウェーデン、デンマーク、1953年にはドイツ、イタリア、フランス、イギリスに赴き、この間の様々な研究により造形への視野がさらに広めら れた。北欧諸国への遊学から帰国後、ガラスや照明器具、テキスタイルなどデザインを次々と発表。1945年にARABIA(アラビア)の主任デザイナー、1950年からはアートディレクターに就任し1973年まで活躍。並行してIITTALA(イッタラ)(1946?50年)やARABIAの 傘下であったNUUTAJARVI(ヌータヤルヴィ)(1950?76年)でも数々の作品を残しました。「大衆のためのデザイン」と「デザイナーの責任」を信条とし「フィン ランドの良心」と呼ばれる彼のデザインは機能的でシンプルなフォルム、装飾はなく色彩のみで表現されたものが多く、数々のヒット作を生み出しました。代表 作でもあるKILTA(TEEMA)シリーズ、KARTIOシリーズなどは現在でも生産が続けられています。また、手工芸的なアプローチで芸術的なスタジ オ作品も数多く残しました。ルニング賞(1955年)、ミラノトリエンナーレ グランプリ(1957年)、コンパッソドーロ賞(1957年)など受賞歴多数。
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