John Melin(ジョン・メリン)は、戦後におけるスウェーデン広告界の第一人者で、アートディレクターとして活躍しました。
1955年からは、盟友であるイラストレータ/アーティストのAnders Österlin(アンダース・オスタリン)とチームを組み『M&Ö』として活動。
John Melinがアイデアやコンセプトを、Anders Österlinがグラフィックを担当しました。
1960年代に手掛け、ヴィジュアルアイデンティティを確立させたストックホルム近代美術館の展覧会ポスターや図録が代表作です。
様々な広告全般に関わる仕事のほか、『M&Ö』としてスウェーデン国内をはじめニューヨーク、ミラノ、フランクフルトなどで展覧会が開催。
1955年に陶芸家SIGNE PERSSON-MELIN(シグネ・ペーション・メリン)と結婚。
1999年には、ストックホルム近代美術館で展覧会が開催されました。
こちらは、1965年にストックホルム近代美術館で開催された『THE INNER AND THE OUTER』展の図録。
『M&Ö』が手掛けた図録の中で最も手が込んだもので、4種類の判型からなるダンボール紙、コート紙、青と金の特殊紙、2種類のビニール素材のシートをボルトとナットで固定した製本。
判型と角につけられたアルミ金具によりセクションを区別し、活版やエンボス、特色、手押しスタンプなどありとあらゆるギミックが施された装丁デザインは一見の価値有り。
Kasimir Malevich(カジミール・マレーヴィチ)、Naum Gabo(ナウム・ガボ)、Yves klein(イヴ・クライン)をメインに、以下の35人の芸術家の作品が掲載されています。
Josef Albers、Martin Barre、Olle Baertling、Max Bill、Robert Breer、Enrico Castellani、Albert Contreras、Piero Dorazio、Lars Englund、Eddie Figge、Sam Francis、Lucio Fontana、Kasper Heiberg、Einar Höste、Don Judd、Akira Kanayama、Yayoi Kusama、Heinz Mack、Piero Manzoni、Robert Morris、Barnett Newman、Kenneth Noland、Eric H. Olson、Otto Piene、Robert Rauschenberg、Ad Reinhardt、Jean Paul Riopelle、Marko Rothko、Jesus Raphael Soto、Frank Stella、Wladyslaw Strzeminski、Mark Tobey、Gunther Uecker、Georges Vantongerloo、Herman de Vries
展覧会のキュレーションは、ポンピドゥセンター初代館長で、当時ストックホルム近代美術館館長であったPontus Hultén(ポントゥス・フルテン)。
※2番目に大きい版型である青い特殊紙以降の2枚の下側に折れ、最も大きな版型の右上に折れ、ビニール製のシートにシミやヨレなど経年劣化が見られます。
外箱には焼け、傷みがあります。(残っていることが稀です。)スウェーデン語。