1921年に古都Turkuに設立されたKUPITTAAN SAVI(クピターン・サヴィ)は、煉瓦やタイルなどの建材や家庭用陶器を製造するメーカー。
主に様々な装飾が施された牧歌的なスタイルの製品を多く製造していましたが、
1949年にMarjukka Paasivirta(マルユッカ・パーシヴィルタ)がアートディレクターに就任してからは、
当時トレンドになりつつあったMarita Lybeck(マリタ・リューベック)やKaj Franck(カイ・フランク)によるシンプルで組み合わせが自由にできる
機能的なモダンデーブルウェアのデザインを推し進めていきました。
1954年のミラノトリエンナーレでは、Marjukka Paasivirtaと共にLinnea Lehtonen(リネア・レートネン)や
Okki Laine(オッキ・ライネ)がシルバーメダルを獲得するなど国際的な名声を獲得し、この改革は成功を収めることとなりました。
その後も時代の流れを汲んだデザインを発表していきましたが、1960年代の建設不況により主要事業であった建材の売上が減少し業績が悪化、1969年に閉業しました。
こちらは、Linnea Lehtonenによって1954年にデザインされた片手鍋。
持ち手部分をフラットにするため、籐が巻かれた部分には、籐の厚み分ほど凹みが設けられ、
また巻き始める部分には穴が空けられているなど、使いやすさや外れることの多い籐の固定化など非常に考えられたデザイン。
黒いセミマットな釉薬、2サイズのバリエーションのがありこちらは小さいサイズのもの。
1954年のミラノトリエンナーレでシルバーメダルを獲得した作品のひとつ。
※目立つダメージなく良い状態です。