HEIDI BLOMSTEDT(ヘイディ・ブロムシュテット)は、フィンランドの陶芸家・デザイナー。
1911年にフィンランドの国民的作曲家であるJEAN SIBELIUS(ジャン・シベリウス)の末娘として生まれました。
1932年にヘルシンキの中央美術工芸学校の陶芸科を卒業後、自宅の工房で陶芸家としてキャリアをスタート、生涯においてメーカーに属することなく活動しました。同年に著名な建築家AULIS BLOMSTEDT(アウリス・ブロムシュテット)と結婚。工房での作品は、1937年のパリ万博では銅メダルを獲得しました。
1950年にスウェーデンのUppsala Ekeby(ウプサラ エケビー)、1960年にKupittaan Savi(クピターン サヴィ)、1960年代後半には、素材をガラスへと移しRiihimaen Lasi(リーヒマエン ラシ)、Kumela(クメラ)などで活躍。1965年には、自身のインテリアデザイン事務所 Inter design設立しました。
こちらは、Kupittaan Savi(クピターン サヴィ)で製造し1963年に発表された陶器作品。
彼女の幾何学的フォルムに基づくデザインは、工場での鋳造法に適しており、Uppsala Ekeby(ウプサラ エケビー)で工業化された陶器の経験がKupittaan Savi(クピターン サヴィ)にデザイナーとして参加することに繋がりました。
周囲との調和を重視した禁欲的に潔く無駄のないフォルムは、単一の作品としてだけでなく、組み合わせることによって、高低差や幅、奥行きによって変化の可能性に富んだ作品となります。
はっきりとしたラインの単純なフォルムではあるが歪みがあり、単色の釉薬ではあるが趣のある色合いで濃淡の表情がある、日本の伝統的美学に影響を受けた彼女の侘び寂びが表現された作品です。
生産数が少なく希少なものとなります。
※歪みや不完全な釉薬などは、この作品の特性です。ガタつきがあります。目立つダメージなく良い状態です。