ヴェネチアンガラスの技法を模して、1850年台後半にNuutajarviで製造されるようになったフィリグリーガラス。
その後途絶えていた技術をKaj Franckが1950年台初めから着手し1961年に復活させました。
Nuutajarviのフィリグリーガラスは、色ガラスを細く長く引き伸ばした棒状のロッドを、内側に溝がある木型に差し込み、その木型に透明ガラスを吹き込んで融着し、捻ったりしながら製作されます。
棒状の色ガラスの色や太さの選定、並べ方までカイ・フランク自身により行われています。
こちらは、気泡入りのガラスとフィリグリーガラスを組み合わせたユニークピース。
KF212と同じく底面が山型に盛り上がっています。
カットサインは『Kaj Franck Nuutajarvi Notsjo』
※画像では分かりづらいのですが、中腹部内側にラインに沿って表面に弾けている箇所があります。これは製造時からのものと推測されます。
目立つダメージなく良い状態です。
KAJ FRANCK|カイ・フランク|1911-1989|FINLAND
ヘルシンキ国立美術大学で家具デザインなど7つの異なったコースを学ぶ。卒業後、家具デザインを主軸としインテリアデザイナーとして活躍。1939年、奨 学金を得てスウェーデン、デンマーク、1953年にはドイツ、イタリア、フランス、イギリスに赴き、この間の様々な研究により造形への視野がさらに広めら れた。北欧諸国への遊学から帰国後、ガラスや照明器具、テキスタイルなどデザインを次々と発表。1945年にARABIA(アラビア)の主任デザイナー、1950年からはアートディレクターに就任し1973年まで活躍。並行してIITTALA(イッタラ)(1946?50年)やARABIAの 傘下であったNUUTAJARVI(ヌータヤルヴィ)(1950?76年)でも数々の作品を残しました。「大衆のためのデザイン」と「デザイナーの責任」を信条とし「フィン ランドの良心」と呼ばれる彼のデザインは機能的でシンプルなフォルム、装飾はなく色彩のみで表現されたものが多く、数々のヒット作を生み出しました。代表 作でもあるKILTA(TEEMA)シリーズ、KARTIOシリーズなどは現在でも生産が続けられています。また、手工芸的なアプローチで芸術的なスタジ オ作品も数多く残しました。ルニング賞(1955年)、ミラノトリエンナーレ グランプリ(1957年)、コンパッソドーロ賞(1957年)など受賞歴多数。
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