BIRGER KAIPIAINEN(ビルゲル・カイピアイネン)は、フィンランドの芸術家・陶芸家・デザイナー。
中央美術工芸学校で装飾絵画と陶磁器デザインを専攻、卒業後の1937年からARABIAの美術部門でキャリアをスタート。
1949年にアーティスト交換プログラムで半年間イタリアのGINORIへ、1954年から1958年まではスウェーデンのRORSTRANDで客員デザイナーを務め、
外国の芸術や技法などに触発を受け表現の幅を広げていきました。1958年からはARABIAへ戻り1988年まで数多くのユニーク作品と共にPARATIISIなどのテーブルウェアシリーズも残しました。
人や鳥、果物や花をはじめとする植物をモチーフとし、物語性のある幻想的な作品、時代を超えた様々な美術からの影響が伺える作品、
鉄やガラスなど他素材を用いた立体的な作品など、新たな表現を常に模索しつつ、どれも彼の作品だと分かる独特の世界観のある唯一無二の作家です。
1960年のミラノトリエンナーレでグランプリを受賞するなど受賞歴多数。
こちらは、ARABIAの美術部門で制作されたプレート。
光の角度によって虹色に輝くラスター釉を用いハンドペイントで装飾されています。全体に貫入のある作品です。
※ラスター釉にかすれがありますが、目立つダメージなく良い状態です。
ARABIA|アラビア|FINLAND
1873年、フィンランドの首都ヘルシンキの別荘地アラビア地区にRORSTRAND(ロールストランド)の子会社として創業。1916年にRORSTRANDより独立。1932年、KURT EKHOLM(クルト・エクホルム)をアートディレクターに迎え、機能主義を取り入れたSINIVALKOシリーズを1935年に発表。これにヒントを得てデザインされたのが、1953年に発表され大ヒットとなったKAJ FRANCK(カイ・フランク)のKILTAシリーズ。1932年、芸術部門であるARABIA ART DEPARTMENTが設立され、TOINI MUONA(トイニ・ムオナ)、BIRGER KAIPIAINEN(ビルイエル・カイピアイネン)、RUT BRYK(ルート・ブルック)、OIVA TOIKKA(オイヴァ・トイッカ)らが参加。1942年、FRIEDL HOLZER-KJELLBERG(フリードル・ホルツェル・ツェルベリ)のデザインした蛍手の技法を用いたRICE PORCELAIN(ライス・ポーセリン)シリーズを発表。1945年には、KAJ FRANCKがデザイナーとして入社、デザイン部門のリーダーとなり、KAARINA AHO(カーリナ・アホ)、ULLA PROCOPE(ウッラ・プロコペ)、ESTERI TOMULA(エステリ・トムラ)、RAIJA UOSIKKINEN(ライヤ・ウオシッキネン)らと共に数多くのヒット作を発表。1950年代から60年代にかけて黄金期をむかえるが、1970年代に入ると経営難に陥り以降、合 併や買収を繰り返し、現在は、IITTALAグループのブランドとして主にフィンランド国内向けに生産を続けています。
ARABIAの商品一覧へ▶▶▶