1951年に自身のスタジオを設立後発表したキャリア初期の作品。
白濁した優しい色合いの釉薬を使ったスタジオプロダクトのひとつ。
全体に釉薬をかけないのがシグネの特徴的な作風で、こちらも素焼き部分には手作業により丁寧に装飾が施されています。
裏のサインは、魚マークと『ORIGINAL SIGNE PERSSON-MELIN SWEDEN』。
このサインは、1958年から1966年の間に製造されたもの。1955年のH55展で発表し、好評を得たスパイスジャーシリーズでしたが、その後すぐにコピー品が出回り、その対策として1958年に『ORIGINAL SIGNE PERSSON-MELIN SWEDEN』の刻印が入るようになりました。
※注ぎ口は、金継ぎにより修復しております。
SIGNE PERSSON-MELIN|シグネ・ペーション・メリン|1925-|SWEDEN
ストックホルムのKONSTFACK(現在の国立芸術工芸デザイン大学)で陶芸や彫刻を学び、その後コペンハーゲンの学校でSAXBO(サックスボ)の設立者NATHALIE KREBS(ナタリー・クレーブス)に師事しました。1951年、マルメに自身のスタジオを設立し、1953年にストックホルムでテキスタイルデザイナーのINGRID DESSAU(イングリッド・デッサウ)とともに最初の個展を開催。ヘルシンボリで開催されたH55ではコルク蓋のスパイスポットを出展し注目を浴びました。BODA(ボダ)、BODANOVA (ボダノヴァ)、RORSTRAND(RORSTRAND)、DESIGN HOUSE STOCKHOLM(デザインハウスストックホルム)、HOGANAS KERAMIK(ホガナスケラミック)、SVENSKT TENN(スヴェンスク・テン)、GUSTAVSBERG(グスタフスベリ)で作品を発表しています。1958年には北欧のデザイナーを対象とする最も権威のあるルニング賞を受賞しました。LUCIE RIE(ルーシー・リー)やBERNARD LEACH(バーナード・リーチ)を尊敬し、民藝にも影響をうけた作風は伝統を重んじながらも独創的な発想でセラミック、ガラス、コルク、ステンレスなど様々な素材を研究し、作品に取り入れていきました。またストックホルムにある地下鉄の壁面デザインなど公共モニュメントも多数手がけています。1985年には母校であるKONSTFACKでスウェーデン初のデザイン分野での女性教授として教鞭をふるいました。75歳となる2000年に再び地元マルメにスタジオを構え、現在も作品を製作し続けています。
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