Friedl Kjellbergは、オーストリア出身の女性陶芸家。
オーストリアのグラーツ美術工芸学校で陶芸を学び、卒業後の1924年からArabia(アラビア)で陶芸家としてキャリアをスタートさせました。
1930年にKurt Ekholm(クルト・エクホルム)によって設立されたArabiaの美術部門の立ち上げからのメンバーでもあり、1948年から1950年まではKurt Ekholmの後任でディレクターも務めました。
主に美術部門所属の作家としてユニークピースの作品を制作、また1942年に発表したRice Porcelainシリーズは、1974年まで製造されるロングセラーモデルとなりました。
Rice Porcelinは、1930年代初めにウィーンの応用美術館で鑑賞した中国の蛍手磁器にインスピレーションを受け、10年の歳月をかけて完成させました。
透かし文様は職人の手により一つひとつ特殊なナイフでカットされ、その後に800°で素焼き、釉薬をかけ1380°で再び焼成することによりカットされた部分はガラス質となり光を通して透かしの文様が浮かび上がります。
当初は、小さな作品でも4日がかりで制作されるユニークピースでしたが、更なる研究の末に製品シリーズとして製造されるようになりました。
こちらは、マットな黒茶釉の高台がついた希少なもの。
フィンランド語で『RIVI』とは、『ライン』の意。
見えづらいですが、カットサインは『ARABIA -F.H.Kj- FINLAND』
※目立つダメージなく非常に良い状態です。
ARABIA|アラビア|FINLAND
1873年、フィンランドの首都ヘルシンキの別荘地アラビア地区にRORSTRAND(ロールストランド)の子会社として創業。1916年にRORSTRANDより独立。1932年、KURT EKHOLM(クルト・エクホルム)をアートディレクターに迎え、機能主義を取り入れたSINIVALKOシリーズを1935年に発表。これにヒントを得てデザインされたのが、1953年に発表され大ヒットとなったKAJ FRANCK(カイ・フランク)のKILTAシリーズ。1932年、芸術部門であるARABIA ART DEPARTMENTが設立され、TOINI MUONA(トイニ・ムオナ)、BIRGER KAIPIAINEN(ビルイエル・カイピアイネン)、RUT BRYK(ルート・ブルック)、OIVA TOIKKA(オイヴァ・トイッカ)らが参加。1942年、FRIEDL HOLZER-KJELLBERG(フリードル・ホルツェル・ツェルベリ)のデザインした蛍手の技法を用いたRICE PORCELAIN(ライス・ポーセリン)シリーズを発表。1945年には、KAJ FRANCKがデザイナーとして入社、デザイン部門のリーダーとなり、KAARINA AHO(カーリナ・アホ)、ULLA PROCOPE(ウッラ・プロコペ)、ESTERI TOMULA(エステリ・トムラ)、RAIJA UOSIKKINEN(ライヤ・ウオシッキネン)らと共に数多くのヒット作を発表。1950年代から60年代にかけて黄金期をむかえるが、1970年代に入ると経営難に陥り以降、合 併や買収を繰り返し、現在は、IITTALAグループのブランドとして主にフィンランド国内向けに生産を続けています。
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