Saara Hopea(サーラ・ホペア)は、フィンランドの女性デザイナー。
ヘルシンキの中央応用芸術学校でインテリアを専攻し、卒業後に家具デザイナーとしてキャリアをスタートさせた後、
Taito社でPaavo Tynell(パーヴォ・ティネル)のもとで製図工として働きました。
1951年にKaj Franck(カイ・フランク)からの誘いでTaito社に籍を置きつつ、フリーのインテリアデザイナーとしてWartsila社(ArabiaとNuutajarviの親会社)のギャラリー/ショールームの家具デザインやインテリアデザインを手掛け、この素晴らしい仕事ぶりによりNuutajarviでデザイナーを探していたKaj Franckから再び誘われ、1952年からNuutajarviのデザイナーとして加わりました。
Kaj Franckと共に戦後の新たな生活のための必需品をデザインすることを共通理念としてデザインを始め、数多くのプロダクトやアートピースを手掛けるだけでなく、パッケージやロゴ、展示空間、Arabiaでもエナメル製品のデザインなど多岐にわたりました。
1954年と1957年には、ミラノトリエンナーレでシルバーメダルを受賞。
1959年に家業を継ぐためNuutajarviを去ることになりましたが、7年という短い期間にも関わらずガラスデザイナーとしての功績は計り知れません。
こちらは1953年にデザインされ、自身の名を冠した『HOPEA』シリーズの小ぶりなワイングラス。容量は、すり切りで120mlほど。
薄いガラスが緩やかな曲線を描いた優美なフォルムのボウルに、短めの太く安定感のあるシリンダー型のステムが特徴のステムウェアシリーズです。
アメリカへの輸出用では『CAMILLA』という名で販売されました。
1953年から1960年までの製造ですが、確認できる1959年のカタログに掲載がなく、
また個体数も少ないことからフィンランド国内向けの販売期間は短かったものと推測されます。
希少なもの。
※目立つダメージなく良い状態です。